配送計画とは、運ぶ荷物・ドライバー・車両・配送ルートといったさまざまな要素を組み合わせ、コストを抑えて効率よく荷物を届けるための計画のことです。今回は、最も効率よく荷物を届けられる配送計画とはどのようなものか解説していきます。
運送業において、コストを下げて短時間で効率よく配送を済ませることはとても重要な事項です。ただ、規模が大きくなり、配送先が多くなればなるほど、配送計画の設計は難しくなっていきます。ここからは、最も効率の良い配送計画を立てたいとき、私達の前に立ちはだかってくる問題について考えていきましょう。
配送を効率化するために、まずはどの車両がどの集配先を担当するべきか決める必要があります。続いて、複数の集配先をどんな順序で回るのが最も効率的か考えます。さらに、ある集配先から別の集配先まで最も短時間で移動できるルートを選ぶ必要があります。
例えば、車両1台で集配先2か所を回る、といったシンプルな配送であれば、全てのパターンを書き出して最も効率的な配送計画を容易に立てることができるでしょう。しかし、車両が複数、集配先も複数ということになると、集配先の分担、回る順序、通るルートがそれぞれ増えるため、組み合わせが何倍にも増えます。
これらのパターンを全て列挙して、最も効率の良い配送方法を見つけるにはあまりにも膨大な時間がかかります。人の手で最も効率的な配送計画を立てるのはほぼ不可能と言えるでしょう。
人力で最も効率の良い配送パターンを見つけるのは困難であるため、近年はコンピューターのシステムを使って、短時間で答えを見つけるようになりました。しかし、コンピューターを使ったとしても「これ以上効率的なパターンは絶対にない」というところまで導きだそうとすると、1日以上かかってしまうことがしばしば。
そこで、限られた時間で、誤差が5%ほどであろうと考えられるパターンを見つける研究がされています。この「最も効率的ではないかもしれないが限りなく近い」パターンのことを「近似値」といいます。コンピューターで近似値を見つける方法を4つ紹介しましょう。
セービング法は、配送計画アルゴリズムの古典的な考え方です。セービングとは「節約」のこと。移動距離の節約効果が高い組み合わせで配送回路を結合させることにより、移動距離を短くしていきます。
ファーストフィット法は、最初に見つかった空いているトラックに荷物を割り当てて行く方法です。容量を超えたら次のトラックに割り当て、全て割り当て終えたら完了です。全てのトラックを探索せずに見つけたものから荷物を割り当てていくため、時間が短縮できます。移動距離を無視して、荷物の容量のみを考えた方法です。
局所探索法では、まず、ある一つの配送パターンを用意します。次に、そのパターンの改善点を見つけ、よりよいパターンに移動します。さらに、またそのパターンの改善点を見つけ、よりよいパターンに移動します…これを繰り返して、最も効率的なパターンに限りなく近いものを見つける、という方法になります。
反復探索法も局所探索法と同じように、まず、ある一つの配送パターンを用意します。次にそのパターンの改善点を見つけるのですが、見つけたらいったん最初に用意した配送パターンに戻ります。そしてまた最初の配送パターンの改善点を見つける…といった流れです。最初に用意した配送パターンの改善点をいくつも見つけることで、最も効率的な配送パターンに限りなく近いものを見つけることができる、という考え方です。
最も効率的な配送計画を見つけるための考え方は、数学の分野で専門的に研究されています。
例えば、配送計画を考えるための変量が「車両への集配先の割り当て」と「集配先へ向かう順番」の2つあるとします。「車両への集配先の割り当て」をx、「集配先へ向かう順番」をyとおいて、2次元平面座標の(x、y)で表すと、実行可能な解、つまり考えられうる全てのパターンがxy平面で表現できます。ここから、最も効率的と考えられるパターンに限りなく近いzを実現する(x、y)を求めることで、近似解を求めることができます。このz(x、y)を求めるアルゴリズムの精度が高ければ高いほど、最適解に非常に近い近似解を求めることができるのです。
参照元:エヌ・シー・エム(http://asp.ncm-git.co.jp/eCapOptService/details.html)
配送計画を立てるためのシステムを導入し、よりよい配送順序、配送ルートを見つけることができれば、トラックの走行時間を短縮することができます。走行時間を短縮することができれば、ガソリン代や人件費の削減ができて、配送コストを抑えることができるでしょう。短時間で多くの配送先を回ることができるようになったことで、配送用トラックの台数自体も減らせるかもしれません。システムを導入したことによって、年間の配送コストの1割から3割ほどが削減できたという例も報告されています。
配送計画を立てるためのシステムを導入し、短時間でよりよいパターンを導き出すことができるようになると、生産性や業務効率が上がり、コストの削減に繋がります。ここからは、配送計画を最適化するためのシステムの活用法について解説していきます。
システムを使って、最も効率的と考えられるパターン、つまり最適解を算出しましょう。配送先の数やトラックの台数、ドライバーの人数などをシステムに入力し、トラックの走行状況も記録させます。
また、システムを使って最適解を算出するだけでなく、その前後で人の目も使うとなお良いです。配送順を入れ替えたり配送先への割り当てを変えたりしながら、より効率的に配送を進められるパターンを検討しましょう。
システムを活用して最適パターンを算出できたら、実際にそのパターンで配送を行ってみましょう。システムを導入したことで走行データも残せるようになったため、以前の走行データと比較するのも簡単です。
実際に配送してみて気づいたことをもとに、さらに新しい最適パターン案を考えて実行してみましょう。何度もトライし考えることで、配送計画がどんどん最適化され、より良いものとなっていくでしょう。
配送計画を人の手で作成するのは時間も手間もかかり、急なトラブル時も素早い対応が難しいものです。
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配車システムにはさまざまな種類がありますが、業種や求める用途によって選ぶべきシステムは異なります。ここでは配送の種類別におすすめの自動配車システムをご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。